この記事はグラフやダッシュボードそのものより先に、「誰に、何を、なぜ伝えたいか」という物語(ストーリー)を決めたほうが、データ活用はうまくいきやすい、という話です。
なぜ物語は重要なのか
データ活用やBIの話をすると、いきなり「どのツール?」「きれいなグラフ」に目が行きがちです。でも本記事では、まずそこではなくストーリーから入ります。
データは、それ単体では力が弱い、と筆者は考えています。どれだけきれいに整理されていても、見せ方が洗練されていても、背景にある「どんな物語か」がはっきりしていないと、人の行動や理解にはつながりにくい、というイメージです。

ここで少しだけ歴史の話をします。狩りをしていた人が帰ってきて家族に話すとき、「東の方に行った」「矢を何本使った」「獲物をどこで見た」といった事実の羅列だけではなく、必ず起承転結のある話として伝わっていた、というイメージです。そこには「次の狩りでどう活かすか」という知恵が込められている。現代におけるスプレッドシートのような技術はありませんが、データの共有には物語がついてくる、という見方です。
研究者の言葉を借りるなら、
Useful Fictions: Evolution, Anxiety, and the Origins of Literature (Frontiers of Narrative) の著者であるMichael Austinは自身の著書で以下のように述べています。
“ Every single human culture, invests resources into producing and consuming stories, and has done so since dawn of time.
人類のあらゆる文化が、昔から物語を作り、楽しみ、大切にしてきた。
つまり、
ビジネス用語の「ストーリーテリング」よりずっと前から、人は物語で理解し、覚え、動くようにできている、ということです。

まとめ
- データや可視化は、ストーリーの「証拠」や「見せ方」として置くと整理しやすい。
- いきなりツールやチャートタイプから入る前に「読み手が最後に何を理解し、何をしたくなるか」を一文で書いてみるとよい。
- それが決まれば、必要な指標やグラフは、あとから足りない分だけ足していけばよい。